「昭和のレコードを聴きながらお茶飲み会vol.1」ふりかえり②

どうも、フクシノワ主催の早坂です。

大盛況のうちに終了した第一回目のフクシノワイベント『昭和のレコードを聴きながらお茶を飲みつつフクシについて話し合う会vol.1』髙木氏のレビューとは打って変わって今度は、福祉職の立場から僕なりにイベントをふり返ってみたいと思う。

◯『高齢者』ではない呼び方を考えてみよう

僕自身介護の仕事をしている中では実はあんまり「高齢者」という単語を使ったことがない。一番多いのが「利用者さん」次に「じいちゃんばあちゃん」だ。それも職員同士で話すときだけで、直接本人と話すときは「お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、ご主人、奥様、〇〇さん」を使い分けている。「高齢者」って単語はどこか冷たいし、そこら辺を歩いている65歳以上と思わしき人に「高齢者」などと声をかけたらド失礼なのは察して頂けるだろう。

指摘しておきたいのは「高齢者」が「年齢」で人を分けた呼び方なのに対して今回挙がった、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、ばっぱ、じっち、マスターなどの呼び方は、どれも「役割」とか「関係性」に対しての呼び方だという点だ。

普段の生活で「年齢」で人を呼ぶことはほぼ無い。皆必ず家族や仕事や友人といった「関係性」があって、そのなかでそれぞれの「役割」に応じて自然に言い方や呼び方を変えているからだ。

僕はこの“自然に”というのが重要だと思う。福祉というと「高齢化社会」「介護保険制度」など社会問題や制度で捉えてしまいがちだが、高齢者の呼び方ひとつ取っても、周囲との距離感や空気を読んで人と接する、というごく当たり前な感覚と地続きなのだ。福祉の根っこにあるこの自然な感覚を共有できれば、知識や立場を超えて福祉と日常をちょっと近づけられるかもしれない。


◯制度が福祉を難しくする

制度から福祉を語ると専門用語だらけで試験問題を解いているようだし実際試験にも出る。僕なんかも福祉の仕事をするに当たっては色々本を読んだり資格を取ったりしたのだが、役に立ったことと言えば同業者同士で話をするのがちょっと楽になった程度のものだ(その程度の知識だから半人前だと言われればグウの音も出ないが…)。

今回のフクシノワでも、福祉の制度や専門用語が、はじめて触れる人には難しくみえるという感想が上がっていた。だけど、さっき言ったように、福祉の根っこにある感覚は日常と地続きで、誰でも共有できるはずだ。だから、先ずは「制度」から離れて、福祉の根っこにあるアイディアをいくつかご紹介しよう。

◯福祉は「自立」

たとえば、子どものときに、親と自転車の練習をした経験はないだろうか。あるいは逆に、子どもに自転車の乗り方を教えた経験はないだろうか。福祉の関わり方は、そうした自転車の練習に似ている。親が子供の後ろについて「ちゃんと支えているよ~」と言いつつ次第に力を緩めながら気づいたら一人で自転車に乗れていた…ちょうどこんな具合だ。何かができないなど、その人に「よわさ」があるからといって、やたらにちょっかいは出さない。あくまでも本人が自分で弱点を見つけて自身を変えたり、環境を変えたりすることを背後から支え「自立」を目指すのが福祉のアイディアの1つだ。


◯福祉は「よわさ」

「よわさ」がある人を支えて「自立」を目指す、と言ったが、「よわさ」とは何だろうか。周囲の求めるレベルと自分の間にあるギャップ、それが「よわさ」の正体だ。

たとえば、高校で成績トップでも名門大学に入ったら最下位になるかもしれないし、地元で金持ちでもドバイに行ったら貧乏人かもしれない。友人の間ではスケボーの天才でもパークに行ったらド素人なわけで、周囲の環境で弱くなったり強くなったりするのが人間なのだ。そこで環境と個人の能力、その両方に働きかけることでこのギャップを解消し「よわさ」を克服しようというのが福祉のアイディアだ。


◯次のフクシノワに向けて

ここまで書いて自分でも色々と疑問が湧いてくる。例えば「よわさ」と書いたけれど、環境で長所短所がでるのは当たり前なわけで、それを「よわさ」と言っちゃうのはズレているのかもしれない。また「自立」といってもそもそも自立したくない人はどうしたものだろうか、とか、後ろから支えられていても自立と呼べる場合はないのか、などなど...根っこにあるものもよく考えればすんごくフワフワだ。

むしろこんなにフワフワだからこそまだまだ意見を交わす余地があるし、次の時代の“フクシ”はこれだ!って勝手に言い切ってしまえる自由と楽しさが有ると思う。

今回参加してくれた人も、次回参加してくれる人も、ぜひフクシノワでこの楽しさを身近に体験していって欲しい!!

トップの写真は田村市からのお土産、美味しくいただいております!


文・写真・図:早坂攝 

校閲:しーなま

フクシノワ

「フクシノワ」は老若男女を問わず、福祉に興味のある方、福祉に関わる方全ての人が、語りや学びを通して”フクシ”の楽しさを発見できる交流の場を目指します。

0コメント

  • 1000 / 1000